ビタミンCについて
現代の生活において広く知られているビタミンCは活性酸素や紫外線、さまざまな毒素によるダメージを受けることによる細胞の「酸化」をふせいでくれる役割を持っています。この抗酸化物質としての重要な役割の他にも、人体においては⽪膚、動脈、⾎管、⽬、筋肉、⾻や腱などの臓器に含まれているコラーゲンを作り、各臓器の機能を維持する働きがあります。特に皮膚においては、日焼けからの回復、しわや色素沈着・シミなど老化に関する症状の改善、創傷治癒の促進、皮膚表面のバリア機能の向上による乾燥の軽減などが、臨床や実験的に確認されています(Juliet MP. Et al; Nutrients 2017, 9, 866)。
人間を含む一部の哺乳類では体内でビタミンCを生合成するための酵素をもたないことから、日々の食事から摂取しなければなりませんが、ビタミンCは構造的に不安定であることや体内での代謝をうけやすいこと、また筋肉や脳あるいは皮膚のコラーゲンの維持などで想像以上に大量に消費されていることから、充分なビタミンCを食物だけから摂るのはなかなか難しいとされています。
そこで私たちは診療の一環として、ビタミンCを脂質のカプセルで包むことで安定化させ、消化や酸化の影響を受けないで細胞にちゃんと届くようにされた天然素材の高力価(1包1000mg)のサプリメント(LIPO P VC®)を導入しています。本剤はビタミンCのサプリメントにありがちな酸味がほとんどなく、一日一包の内服でよいという飲みやすさに加え、ビタミンEも配合されています。
また、消化器官を通過することでの影響を避けるため、ビタミンCの大量点滴療法のご用意もあります。この治療では実に25000mgのビタミンCを投与しており、海外では各種ウイルス感染症の病後や強い日焼けの後の皮膚ダメージの回復にひろくつかわれていて、当クリニックでも疲労の回復や皮膚がしっとりしたことを実感する声をお寄せいただいています。
そのほか、皮膚表面の角層にも直接的にビタミンCを届けられるよう、ビタミンCのイオン導入も施術しています。毎日の生活でうける様々なストレス、ダメージからの速やかな回復を促すビタミンCの摂取を日頃から心がけましょう。