あなたの肌に良いことをわかりやすく伝える副院長のコラム

日焼けについて【2】

今回は、‘飲む’日焼け止めについて述べたいと思います。

 

 ‘飲む’日焼け止めの主成分はFernblock®という、シダから抽出した天然成分です。Fernblock®はサルバドール ゴンザレス医師が中心となって1990年代初めから研究・開発が進められ、欧米を中心に60以上の臨床試験がなされました。その効果と安全性は2005年ころから学術論文として発表されてきました。Fernblock®を主成分としたヘリオケア(HERIOKCARE®)シリーズはスペインのCantabria Labs社から発売され、すでに25年がたち、80か国以上に多くのユーザーがいます。 Fernblock®は紫外線(UV)による活性酸素の生成と放出を強力に阻害して、細胞内のDNA損傷を防ぎます。これが、日焼けによるシミの形成やシワなどの光老化を防ぐことになるのです。また、ハイドロキノンクリームとの併用で肝斑にも効果があることが報告されている(J Clin Aesthet Dermatol. 2018; 11(3): 14)のに加えて、欧米人に多い紫外線暴露による皮膚がんの予防効果も指摘されており、これから幅広い臨床応用が期待されます。 ‘飲む’日焼け止め、ヘリオケア®は、強い紫外線暴露が予想される日の朝に1日1回、1錠を内服するだけです。
 

 さて、日焼け対策をしっかりすることでの「副作用」についても検討したいと思います。例えば、ビタミンDは紫外線の力を借りて体内で合成され、皮膚の健康なターンオーバーに欠かせないもので、皮膚科領域では尋常性乾癬というご病気の治療薬としても使われます。このビタミンDはこういった遮光を徹底する行動の影響を受けないのでしょうか? 古くから日光浴を生活の一部としてきたヨーロッパではビタミンDと紫外線に関する研究が進んでいて、近年、徹底した遮光をしても、あるいは日照の極端に少ない地域でもビタミンDの血中濃度には影響がなく、むしろビタミンDを多く含む食品の摂取状況が関係していることがわかっています。ビタミンD が多く含まれているのは、サケなどの魚類やしいたけなどのきのこ類で、とくにしいたけを食べるときは、使う前に天日で干すとビタミンD がさらに増えるとされています。 サングラス、帽子、手袋、そして飲む日焼け止めなどを使って、しっかりと光老化を防ぎましょう。

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