あなたの肌に良いことをわかりやすく伝える副院長のコラム

ピコレーザーに関して

今回は私たちのクリニックでシミの治療をする場合に使うピコレーザーについて述べたいと思います。

 

 ピコレーザーの「ピコ」とはレーザーの光が出されている時間の単位を表す数字です。ピコレーザーは、1秒のわずか1兆分の1という極めて短かい時間で照射できるレーザーです。これまで、シミ・そばかす・あざ・刺青治療に使用されてきたQスイッチレーザーの照射時間が「ナノ秒(10億分の1秒)」と最も短い時間で発振される機器でした。ピコレーザーは、そのさらに1000分の1の時間で照射することができるため、色素だけにターゲットを絞ったピンポイントの治療ができます。発出時間が極めて短い特徴から当てた部位での熱発生がほとんどなく、火傷や炎症後色素沈着などの皮膚へのダメージが最小限に抑えられると言えます。

 

 ピコレーザーの治療の対象となるのは、シミ・あざ・刺青等の良性の色素性疾患です。文献的には刺青の治療において有効であることを強調したものが多数みられますが(Kono T et al. Laser Therapy25.3:179-184)、写真に示すような「くっきりした濃いシミ」で有効であることを確認しています。こういったシミは、「日焼け止めを塗らないでゴルフをする」ですとか、「若い時に外で運動する部活に入っていて無防備に紫外線に当たっていた」などのエピソードをお持ちの方に出現しやすいのですが、ピコレーザー治療の良い適応であると思いますので、ご相談いただけたらと思います。

 

 また当院のピコレーザーにはフラクショナル機能も備わっており、その二つを組み合わせたフラクショナルピコレーザーは、外傷後の瘢痕の治療にも有効であることが実臨床においてわかってきたので、これらの治療でも患者様に喜んでいただいています。

 

 ピコレーザーの治療にあたっては、事前の特別な準備などはありません。照射時の痛みもごくわずかですので局所麻酔なども不要で、シミの場合には、4,5日したところで痂疲(かさぶた)が自然に剥がれてくる経過をとることが一般的ですが、その間も特別、ガーゼでの保護などは不要です。

 

 ピコレーザーは道内では現在、当クリニック含めて3施設だけに導入されています。ピコレーザーは医療承認が取得してされていて、患者様に安全に治療を提供できる点もあわせてお伝えしたいと思います。

 

 最後に、以前のコラムでも示しましたが、「しみで困っているので、レーザーを当ててほしい」とおっしゃられて来院された場合にも、それが、「しみ」なのか、「ほくろ」なのか、「いぼ」なのか、医師のしっかりした診断に基づいて、たしかな機材で適切な治療をするのがなによりも大事です。

 

 

 

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